虹いろ誕生ストーリー(2)

こんにちは。

理事長の渡邉です。

虹いろ誕生ストーリー、第2回はいよいよ個人のボランティア活動「バードライフサポート虹いろ」の誕生です。


前回お話ししたとおり当初の目的はあくまで鳥を愛し鳥と暮らしているという共通の趣味を持つ鳥友としてお付き合いをしながら、ご本人、愛鳥さんの生活を見守り、必要があれば適切な支援に繋げるお手伝いをする、というものでした。


国分寺市には様々な高齢者支援がありますが、どのような支援があり、どうすれば利用出来るのかは案外知らないものです。


ご家族などがいれば、その方がいろいろ調べてくれたりもしますが、おひとり暮らしで周りに気軽に相談できる人もいないと、その最初のハードルが超えられず必要な支援が受けられていないこともあります。


ご家族もおらず、そして人付き合いも得意ではない方でも同じ鳥好き、鳥飼いであれば心を開いてくれるのではないか、そして困りごとがあるときに少しは頼ってくれるのではないかという想いでした。


ちょうどこの頃埼玉県の認定NPO法人TSUBASAさんで大きなレスキュー事案が起こりました。


ご高齢の飼い主さんが100羽を超えるブンチョウさんのお世話がしきれず周辺の住民から悪臭や害虫の苦情を受け、強制退去を命じられてしまったのです。


室内は自家繁殖で増え放し飼いにされているブンチョウさんに占拠されご飯もお水も足していくだけ。

食器などの洗浄は行えず排泄物などのお掃除も出来ていないことから害虫が数多く発生していたそうです。


近親交配を繰り返したことから明らかに異常のある個体もいたようです。


一部の愛鳥家からは飼い主さんを非難する声も聞こえてきました。


けれど、飼い主さんはご自身が強制退去を命じられてもブンチョウさんたちにご飯やお水をやり続け、窓を開け放って家から追い出すこともせず命を守り続けてくれたのでした。


私には、この飼い主さんの「このままではいけない、なんとかしなくちゃ駄目だ。でもどうしたら良いかわからない。誰に相談すれば良いのかもわからない」という焦りの気持ち、でも生き物が側にいるという安心できるような心地よさに、このままでいたい、そんな感情がごちゃ混ぜになり身動き出来ない姿が想像出来たのです。


きっと、身近に同じように鳥が好きで鳥のことを語り合える友人がいたなら、ここまでになってしまう前にどうにか出来たんじゃないか?

同じ鳥好きの言葉なら、アドバイスにきちんと耳を傾けてご自身でも解決に向けて行動を起こしてくれたのではないか? 


そう思うと、この事態を招いたのは飼い主さんだけの責任ではない、私たち愛鳥家にも、地域全体にも責任があるように思いました。

やはり、何か出来ることからでも始めなければ!

始めればひとりでもこのようなことで悩み、悲しむ人が減るかもしれない。


このレスキュー事案で保護されたブンチョウの虹が私の家族になってくれました。


きっと名前などもらっていなかった小さなブンチョウはTSUBASAさんの獣医師さんに虹という素敵な名前をもらっていました。


空に虹を見つけると、人は何だか幸せな気持ちになりますよね?

そんな風にブンチョウの虹には出会う人達を幸せな気持ちにできる鳥でいて欲しい。


その想いを、これから始めようとする小さな活動にも乗せたいと思い、活動名を愛鳥との暮らし=バードライフをサポートする、「バードライフサポート虹いろ」としたのです。

この活動で繋がる人、支援を受ける人も支援を行う人もみんなが幸せな気持ちになれますように。

そんな願いを込めた名前なのです。

私に一歩を踏み出す勇気をくれたブンチョウの虹